「経済記者シニアの会」掲載のコラムです
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10月10、11の両日、全国銀行データ通信システム(全銀システム)に障害が発生し、三菱UFJ銀行など全国10の金融機関で他行宛て振込みが当日中に処理できない事態となりました。1973年4月に稼働して以来、初の大きなトラブルでした。素直にいえば、COBOL系システムが特段の問題なく動いてきたことが驚きではあります。
12日午前8時半に正常稼働しましたが、金融機関間の「内国為替制度運営費」(手数料)を計算するプログラムを外した状態は続いています。金融庁は「わが国の決済システムの信頼性を揺るがす重要事案」として、システムを所管する一般社団法人全国銀行資金決済ネットワーク(理事長:辻松雄氏、略称:全銀ネット)に対して11月末までに原因解明と再発防止策などを報告するよう求めています。
全銀ネットは10月11日に1回目(1時間46分)、18日に2回目(2時間40分)、辻理事長出席の記者会見を開きました。過日の芸能事務所の大荒れ会見と比べ、登壇者・質問者ともに冷静かつ理知的だったのが印象的でした。全銀ネットの会見は次週「注目会見を斬る!」で取り上げることになるので、今回はその露払いです。
「メモリー不足」説が流れたけれど
前後の事情を確認のために記しておくと、システム障害のきっかけは10月7〜9日の3連休を利用して実施したシステムのレベルアップでした。対象は金融機関のシステムと全銀システムの間でデータ送受信を行う中継コンピュータ(RC)で、32ビットOSで稼働するRC17シリーズから64ビットOSのRC23シリーズに交換したということです。
全銀ネットは会見で、「中継コンピュータ(RC)のインデックステーブルが一部破損していたのが直接の原因だった」(小林健一事務局長兼業務部長)と説明しています。しかしなぜテーブルが破損したのか、真の原因を特定していません。複合的な要因を想定しているためか、とも思います。
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