3,541プロジェクトの分析からベスト・プラクティスの傾向などを明らかに
IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江一正)技術本部ソフトウェ ア高信頼化センターは、ソフトウェアの信頼性向上を目的に、IPAが保有する3,541 件のプロジェクトデータを分析することで得られたベスト・プラクティスの傾向や 指針を、「ソフトウェア開発データが語るメッセージ2015」として取りまとめ、 IPAのウェブサイト上で9月25日(金)に公開しました。
URL:http://www.ipa.go.jp/sec/reports/20150925.html
IPAは、2004年から企業におけるソフトウェア開発プロジェクトのデータを収集し、ソフトウェア開発のベンチマーキングに活用できる指標値などを統計データとして「ソフトウェア開発データ白書」を発行・提供しています。
ソフトウェア開発においては、不具合をあらかじめ解消し、信頼性の高いソフトウェアを開発することが求められますが、そのためには統計データを参考に、自社プロジェクトをベンチマーキングし改善を図ることが重要です。
今回公開した「ソフトウェア開発データが語るメッセージ2015」(以下、本書)は、ソフトウェアの信頼性をより一層向上させることを目的に、これまで公開されてきた統計データでは示されていなかった「ベスト・プラクティスをヒントに改善を図る」という点に着目し、IPAが保有する3,541件のプロジェクトデータを分析し、そこから得られたベスト・プラクティスの傾向やソフトウェア開発における品質マネジメントの指針を取りまとめたものです。
本書は「ベスト・プラクティスでは、設計の文書化・レビュー・テストなどの品質保証プロセスや組織体制にどんな傾向があるか」、「信頼性を確保するためには、どの程度まで品質保証プロセスを実施すれば良いか」といった観点でまとめており、ソフトウェア開発における開発プロセス・品質保証プロセスの改善を図るための指針を示しています。
本書に掲載している指針の一例は以下の通りです。
◇ベスト・プラクティスは「上流工程」に注力。テスト時の不具合が少ない傾向に
◇設計レビューの効果を勘案した「設計レビュー工数」のコントロールを
◇顧客が要求仕様に関与しているほど、生産性と信頼性が向上する傾向に
上記以外にも「設計文書量・テスト量のコントロール」や「品質保証体制など組織体制の整備」などを掲載しています。
IPAは、本書の活用を通じて、ソフトウェア開発現場の品質マネジメントが改善され、ソフトウェアの信頼性がより一層向上していくことを期待しています。
なお、IPAでは本書の公開にあたり、本書の普及や活用促進を目的に、10月16日(金)にセミナーを開催する予定です。詳しくは以下のURLをご覧ください。
◆SECセミナー
「3,500プロジェクトの開発データで実証された品質マネジメントのヒントと現場事例」
http://sec.ipa.go.jp/seminar/20151016.html