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「COG2018に向けて」に行ってきた 「官」と「民」をつなぐ「パブリック」の考え方(1)

6月17日(日)午後1時半から東京・本郷の東京大学で開かれたチャレンジ!!オープンガバメント(COG、運営コーディネーター:奥村裕一・東京大学公共政策大学院客員教授)の「COG2018に向けて」に行ってきた。市民と行政が協働する市民参加型社会の形成を目指す取組みは、筆者流に解釈すれば、「官」と「民」をつなぐ第3軸「パブリック」の概念ということになる。

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奥村裕一氏(COG運営コーディネーター)

 COGが第一に掲げるコンセプトは「データを活用し地域課題を解決する」だ。もう一つの「永遠のベータ版」は、

 ーー状況は常に流動的なのだから固定概念に縛られてはならない。

 という考え方。COG運営コーディネーター・奥村裕一氏の口癖といっていい。

 東京大学公共政策大学院「情報通信技術と行政」研究プログラムが主催、東大ソーシャルICTグローバル・クリエイティブリーダー育成プログラムが共催となっている。

 また「市民と行政が協働する市民参加型社会の形成」という観点から、「市民が主体となって自分たちの街の課題を技術で解決するコミュニティ作り」を支援する非営利団体一般社団法人)「コード・フォー・ジャパン」(代表理事=関治之氏)とベクトルが一致する部分が少なくない。

 ちなみにコード・フォー・ジャパンは2013年10月に発足し、主旨に賛同する全国各地約80の自立的非営利団体と連携している。2017年の総合賞となった京都市チームは、コード・フォー京都と協働したという。

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日曜日の午後にもかかわらず自治体職員やコード・フォー関係者など100人以上が参加した

59チームのアイデアと連携体制を審査

 このように分かったらしく説明している筆者も、実はCOGやコード・フォーの活動に精通しているわけではない。

 そこで確認のために記しておくと、時事通信社のJIJI.COM/2018年3月9日付記事によると、

 《「チャレンジ!!オープンガバナンス2017」は、自治体が地域課題(子育て・家族・教育、高齢化・介護・医療・健康、エネルギー・環境、防災・防犯、産業振興、まちづくり・交通、地域プロモーション、観光、雇用など)と関連データを提示し、それに対して市民がアイデアをまとめるプロセスと成果が審査・評価されるコンテスト》

 という。

 2017年度のコンテストは、第1ステップ=2017年6~8月:地方自治体から市民/学生に解決してほしい地域課題を募集、第2ステップ=9月~12月:市民/学生から自治体からの課題に対する解決アイデアを募集、第3ステップ=2018年1~3月:応募アイデアそのものに加え市民/学生と自治体の連携体制も加味した審査を経て、3月4日に表彰が行われた。 今回の「COG2018年に向けて」では、COG2017の応募状況の説明と受賞チームによる発表および、審査員による改善アドバイスが行われた。

 昨年12月20日締切りの応募状況はCOG2017のホームページ(http://par k.itc.u-tokyo.ac.jp/padit/cog2017/)に公開されているのだが、改めて掲示する。

 参加チームは計59、対象市町村は24、対象課題は30だった。COG2016と比べ、参加チームは9減(市民チーム2減、市民/学生混成チーム3減、学生チーム4減)となっている。

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 このうち最終審査の対象となったのは13チーム(仙台市会津若松市、中野区、浜松市鎌倉市金沢市牧之原市大津市京都市大阪市宇部市)、ポスター展示対象は21チームだった。 6月17日に事例発表が行われたCOG2017の受賞チームは次のようだった。

 ◆総合賞 京都市:京の歴史と街並みを伝え隊

 オープンデータと自転車をはじめとした観光資源の融合による持続可能な観光・交通を目指して(アイデア名:自転車でつながる人・街・自然・文化!~chariP naViと共創コミュニティデザイン~)

 ◆アイデア賞 山口県宇部市:多目的トイレ一発検索作成協議会

 地域計画の推進につながるアイデア(アイデア名:協働による多目的トイレ一発検索アプリ開発

 ◆連携体制賞 宮城県仙台市:DATECAREER

 学生の地元定着の推進(アイデア名:DATECAREERが学生と企業の“架け橋”となり、学生のキャリア形成における新たなプラットホームをつくる)

 ◆Accenture Citizen First Youth賞 福島県会津若松市:STEM Leaders with Hanyu

 車輌走行データの活用(アイデア名:地域と「つながる」、除雪プロジェクト)

COG2018はラインがCSRパートナーに

 イベントのタイトルが「COG2018に向けて」である以上、そのことに触れないわけにはいかない。とはいえ、「基本的に応募のステップはこれまでと変わりがない」(奥村氏)という。

 多くのチームに参加してほしいので繰り返しておくと、

 第1ステップ=年6~8月:地方自治体から市民/学生に解決してほしい地域課題を募集(←いまここ)

 第2ステップ=9月~12月:市民/学生から自治体からの課題に対する解決アイデアを募集

 第3ステップ=2019年1~3月:応募アイデアそのものに加え市民/学生と自治体の連携体制も加味した審査(1月:書類審査、2月:最終公開審査対象への追加質問、3月:最終公開審査と表彰)

 ただCOG2018から、SNSサービスのライン(株)がCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)スポンサーとして参加した。これに伴って総合賞、アイデア賞、連携体制賞に加え、学生チームを対象にした「LINE学生賞」が新設された。「いいアイデアであればビジネス化も検討したい」(執行役員公共政策・CSR担当の江口清貴氏)という。上げ潮の景況で大きな利益を上げている地域のITベンダーも負けずに参加してほしいと思ったイベントではあった。

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park.itc.u-tokyo.ac.jp

【続き】は各賞のプレゼンテーション

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