情報サービス業IT関連資格調査2009 有資格者が4%純増 背景に「見せる化」志向

 IT記者会が今年7〜8月にアンケート形式で実施した情報サービス業IT関連資格調査がまとまった。同調査は5回目だが、経済産業省情報処理技術者試験の大幅改定後の調査は初めてとなる。133社から回答を得た。それによると、情報処理技術者試験資格と主要な民間資格保有延人数と全従業員の比率は1.23だった。回答企業が異なるため補正すると、保有延人数比は1.22で前年同期比+9.10ポイント、新資格による純増率は3.76%だった。価額決定要素の「見せる化」志向が資格取得の誘引となっている。
PMとセキュリティが増加
 取得資格の内訳を見ると、情報処理技術者試験の新区分は「基本情報技術者」が2,296人で最も多く、全従業員数に占める割合は1.3%、1社当り18.1人だった。ITリテラシーの基礎を判定する「ITパスポート」は、一般社会人や学生の入門編的な位置づけということもあって、情報サービス業の従業員は積極的に受験していない。
 資格取得者数の2年比較は、回答企業が異なるため参考に過ぎないが、資格取得率を見ると、「プロジェクトマネージャ(PM)」が2007年度の1.41から1.52に、「テクニカルエンジニア/データベース」が1.66から1.79に、「情報セキュリティアドミニストレータ」が2.30から2.78に、それぞれ上昇している。PMO(Project Management Office)の設置や情報セキュリティのシーズ増加が背景にあるようだ。
 新旧資格を合算した取得状況では、全取得者数(延べ人数)が全従業員数に占める割合が76.90%から81.01%に上昇したのが目に付く。取得率の増減ポイントで±0.01〜0.10ポイントは誤差の範疇とすると、「アプリケーションエンジニア」が−0.11ポイントとなったほか、「応用技術者」が+1.30ポイント、「基本情報技術者」が+1.14ポイント、「情報セキュリティスペシャリスト」が+0.52ポイント、「情報セキュリティアドミニストレータ」が+0.48ポイントなど上昇傾向にある資格が少なくない。
 また1社当りで見ると、全取得者数は16.80%増となった。情報セキュリティ関連資格の伸びが最も大きく、エンベデッド技術者、PMがこれに続いている。

民間資格ではITIL
 次に民間資格を見ると、ベンダー資格では「ORACLE MASTER」が資格取得者数、取得率ともに減少したのが目に付く。これに対して「マイクロソフトMCP)」は堅調に実数を伸ばしている。1社当り取得者数の伸び率では、「シスコ技術者認定」、「IBM DB2グローバルマスター」、「SAP認定コンサルタント」が+20%台なのに対して、「SUN認定Javaプログラマー」が+11%台にとどまった。
 NPO資格では「ITIL Foundation」が前年同期比倍増と大きな伸びを示している。両年度の実数の差も、「ITIL Foundation」は+3,865人で、「PMP」の+2,169人を上回った。
 情報処理技術者試験資格と民間資格を合わせた資格取得者数は、旧資格区分ベースで204,305人、新旧資格区分の合算で210,774人だった。旧資格区分ベースの1社当り取得者数の伸び率は+16.10%、新旧資格区分合算では19.77%と、それぞれ大幅に増加した。ただし2008年度の純増は単純計算で3.76%増、全従業員数の比重計算による補正値は1.82増となる。資格取得の増加はスキルの「見せる化」志向を示すとみていい。

その他の情報処理技術者試験資格では、おおむね1割の企業が「資格給」、5〜8%が「資格給+一時金」、7割が「一時金」を支給している。「応用技術者」に手厚いのは、技術者の多くを占める若年層に資格取得を奨励する施策の現われといっていい。より高度な専門知識を求められる「システム監査技術者」以上の資格では、一時金で対応する傾向が読み取れる。

3資格で一時金が100万円
 資格別の「一時金」の額を調べると、最低は5,000円(ITパスポート、基本情報技術者、ITコーディネーター、PMP、シスコ認定技術者プロフェッショナル、Sun認定JavaディベロッパORACLE MASTER (Gold)、MCSEの8種)、最高は100万円(システム監査技術者、プロジェクトマネージャ、ITストラテジストの3種)だった。