バラエティー番組や報道番組などのモザイク入れ作業で最大90%程度の効率化を実現
日本テレビが映像編集ソフトの外販に乗り出しました。AI(人工知能)技術を使って動画像へのモザイク入れを自動化する機能を、サブスク型のSaaSで提供するとしています。同社が自社開発ソフトを外販するのは今回が初めてだそうです。
当面の販売先(見込みユーザー)は、ポストプロダクションと呼ばれる映像制作会社、Web/YouTube編集サービス事業者など。海外展開も視野に入れているとのこと。
利用料金は10万円/月からで、利用頻度に応じるとしています。
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BlurOnは従来、映像編集者が1フレームずつ行っていた人物の顔やナンバープレートなどへのモザイク入れを自動化できるソフトウェアです※1。モザイク入れは非常に手間のかかる作業で、例えば1分の映像素材へのモザイク入れはベテランの映像編集者でも1時間程度かかることもあり、現場の課題となっていました※2。さらに近年では、個人情報保護の重要性の高まりから、番組映像についても一層の慎重な取り扱いが必要となり、作業負荷が増大しています。
日本テレビやグループ会社におけるBlurOnを使った実験では、作業時間を最大90%程度効率化できる結果が得られました。BlurOnは全ての映像編集者のモザイク入れ作業を効率化し、現場の働き方改革を目指します。
日本テレビやグループ会社におけるBlurOnを使った実験では、作業時間を最大90%程度効率化できる結果が得られました。BlurOnは全ての映像編集者のモザイク入れ作業を効率化し、現場の働き方改革を目指します。
モザイク編集の編集前後イメージ(上図:編集前、下図:編集後)
図:手作業とBlurOn利用時のモザイク掛け作業時間比較イメージ
※1:本ソフトウェアはAdobe After Effectsのプラグインとして利用可能です。
※2:修正箇所や映像の内容により修正時間は前後します。
■ プロダクトの概要と特徴
BlurOnは映像編集者のモザイク入れ作業を効率化するためのソフトウェアです。導入の検討やデモをご希望の場合には下記公式サイトよりお問い合わせください。
また、アプリ導入のご相談だけではなく、日本テレビの持つ映像編集ノウハウを活かした「モザイク入れ作業」自体の代行・請負も承りますので併せてご相談ください。
プロダクトページ: https://blur-on.com
<プロダクトの特徴>
1.AIで自動検出可能な対象:顔、頭部、全身、ナンバープレート
2.Adobe After Effectsのプラグインとして利用できるため、別ソフトの立ち上げなどが必要ありません。
3.クラウドで検出処理を実施するため、必要最低限のPCスペックで動作可能です。
※自動検出する対象は今後随時追加されていく予定です。
※NTTデータ社のAI技術が使われています。
※BlurOnのご利用にはAdobe After Effectsと同ソフトウェアが動作するPCが必要です。
<使い方>
(1)Adobe After Effectsにモザイクを入れたい動画ファイルを追加
(2)クラウドにアップロード(自動処理)
(3)顔などの検出情報をダウンロード
(4)Adobe After Effectsで用途に合わせてエフェクト(ぼかし、モザイク、色付けなど)・領域の形・位置などを調整可能 (図:BlurOnの利用手順)
■開発の背景
テレビ業界の映像編集では、個人情報保護を目的に映像内の一般の方々にモザイクを入れることが多く、この非クリエイティブな単純作業に多大な時間と労力をかけています。例えば1時間の番組を制作するのにモザイク入れだけで2〜3日費やす場合もあり、これはテレビ業界のコンテンツ制作における大きな課題でした。
近年、AI技術も進歩し「社会課題解決へのAI活用」が求められる時代になりました。画像認識AIの精度も格段に向上し、実用化レベルまできています。この技術による課題解決の可能性を感じ、日本テレビとNTTデータが手を組んでBlurOnの共同開発プロジェクトが立ち上がりました。映像制作のプロである日本テレビが持つ映像編集ノウハウと、日本のAI開発を牽引してきたNTTデータの高い技術力を組み合わせて、クリエイター目線で「カンタンで使いやすい」「質の高いアウトプットが可能」な製品の実現を目指し、試行錯誤を繰り返してきました。
働き方改革が謳われる今、モザイク入れという単純作業からクリエイターを解放し、テレビ業界だけでなくコンテンツ制作業界全体の働き方改革を実現するというのが、私達の夢であり、目標です。実際にユーザー様からBlurOnを利用して「よりクリエイティブなことにより時間を使えるようになった」との声も頂いております。モザイク入れの自動化プラグイン「BlurOn」で、“クリエイティブな仕事”に集中できる時間を創出します。
■利用者の声
株式会社日テレ・テクニカル・リソーシズ(NiTRo)
「警察に密着するような番組の場合、背景にモザイクをかける事が多く、それこそ人海戦術でしたが、BlurOnを使えばかなり時間は削減できると思います。手作業に比べて処理速度が非常に早く、検出精度も高かったです。例えば、人と人が前後に被っている群衆の映像などでも、個々の人に独立したマスクがかかっていました。また、自動検出できる部位が顔や頭部だけでなく、身体全体も検出できる点は良いと思います。」
株式会社イカロス
「BlurOnではどんなに大人数でも一気にマスクレイヤーを作成できてモザイクがかかるのでかなり作業が速くなりました。例えば、モザイク入れの多い番組で約96時間(4日間)程度かかっていたモザイク入れ作業が50%程度の約48時間に削減されました。BlurOnが無いと最初から全部自分でやらないといけないので精神的にはかなり救われました。また、事前にモザイク処理の設定(モザイクの濃さ、フェードイン/アウトなど)が細かく指定できるので便利です。」
■ AIモザイク入れソフトウェア「BlurOn」について/今後の展開
BlurOnは、全ての映像編集者のモザイク入れ作業を効率化するソフトウェアです。映像編集の効率化により編集現場の働き方改革、業務効率化および生産性を向上させる事を目的としています。煩雑で時間のかかる非クリエイティブな単純作業から映像編集者を解放する事で本来重要なクリエイティブな時間を作ります。現在の自動検出対象は限られていますが、今後お客様の声を参考にしながら対象を増やすとともに、Adobe After Effects以外の映像編集ソフトウェアへの対応も検討しています。また、海外の映像編集者にも同様の課題があると考えられることから海外にも広げていきたいと考えております。
■ 会社概要
社名:日本テレビ放送網株式会社
所在地:東京都港区新橋1-6-1
代表取締役社長:石澤 顕
事業内容:放送法による基幹放送事業及び一般放送事業、メディア事業、その他放送に関連する事業
設立:1952年10月15日
資本金:60億円
企業URL:https://www.ntv.co.jp/info/
※記載情報は、発表日現在のものです。情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。