中銀デジタル通貨、実証実験「21年度の早い時期に開始」=日銀

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10月9日日銀は中央銀行デジタル通貨(CBDC)の取り組み方針を公表した。写真は5月22日、東京の日銀本店で撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)(ロイター)

[東京 9日 ロイター] - 日銀は9日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の取り組み方針を公表した。現時点では発行計画がないことを改めて示した上で、環境の変化に的確に対応できるよう準備しておくことが重要と指摘。実証実験の第1弾を、2021年度の早い時期に開始することを目指しているとした。

 日銀は、企業や家計など幅広い利用者を想定した「一般利用型CBDC」の取り組み方針を示した。

 日銀はCBDCを現金と並ぶ決済手段に位置づけた。当面、現金の流通が大きく減少する可能性は高くないものの「仮に将来そうした状況が生じ、民間のデジタルマネーが現金の持つ機能を十分に代替できない場合には、現金と並ぶ決済手段として、一般利用型CBDCを提供することが考えられる」とした。現金の需要がある限り、現金供給は日銀が責任をもって続けていくことも明記した。

 民間の決済サービスをサポートするためにCBDCを発行することが適切になる可能性があるとも言及した。

 日銀は一般利用型CBDCを発行する場合、中央銀行と民間部門による決済システムの二層構造を維持することが適当だと改めて明記。CBDCの基本的な機能として、即時決済性やセキュリティー、民間との相互運用性などを挙げた。

 一方、CBDCを導入する場合には、金融政策の有効性や金融システムの安定性の観点から、CBDCの機能要件や経済的な設計(発行額・保有額の制限や付利の有無等)について慎重な考慮が必要だとした。

 各国中銀の動きなどをフォローしながら「クロスボーダー決済への活用可能性を確保していくことが望ましい」とも指摘。また、イノベーションを促進するために中央銀行と民間事業者の役割分担についても議論が必要だとした。

 日銀は今後、実証実験を通じて具体的かつ実務的な検討を進める。基本的な機能を検証するフェーズ1、周辺機能を追加して行うフェーズ2、必要に応じて民間事業者や消費者も加えて行うパイロット実験の3段階の実証実験を想定し、フェーズ1について21年度の早い時期に開始することを目指しているとした。