政府が検討するマイナンバーと銀行口座の紐付け 情報流出のリスクへの対応が課題か

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 菅政権の肝煎り政策となっているデジタル庁の創設に関連して、マイナンバーと銀行口座を紐付けする仕組みが政府で検討されています。銀行口座とマイナンバーが完全に連動すれば、給付金の支払いなどを迅速化することができますが、一連の情報が流出した場合には、大きな被害につながる可能性もあります。

【イラスト】マイナンバーカードの保有者はまだ少ない(提供:TKM/イメージマート)

 現在、銀行口座に関しては、投資信託の売買など一部の取引の際にマイナンバーの提出は必須となっていますが、それ以外については任意での提出となっており、マイナンバーと銀行口座がすべて紐付いているわけではありません。つまり政府側は国民の誰がどこに銀行口座を持っているのかについては把握していません。

 こうした状況は国民のプライバシーを守るという点では有益ですが、行政手続きという部分では不便になることもあります。今回のコロナ危機では、米国政府は国民に素早く給付金を支払いましたが、これは政府側が個人の銀行口座を把握していたことが効果を発揮しました。

 米国の給付金は年収によって金額が変わりますが、政府が計算し、お金は自動的に登録口座に振り込まれますから、国民は何もする必要はありませんでした。郵送で書面を提出するなど面倒な手続きが必要だった日本とは雲泥の差だったといってよいでしょう。

 こうした事態を受けて政府は、マイナンバーと銀行口座の紐付けの強化を検討しています。菅政権は目玉政策として、政府のデジタル化を推進するデジタル庁の創設を進めています。デジタル庁にはいくつかの役割が期待されていますが、そのひとつが、普及が進まないマイナンバーカードの推進です。

 マイナンバーそのものはすでに全国民に付与されていますが、マイナンバーなどの情報が書き込まれたマイナンバーカードは約20%の国民しか保有しておらず、あまり機能していません。政府は、このカードをもっと普及させ、これをベースに行政手続きのデジタル化を進めたい意向です。理屈上、この制度に銀行口座の情報が加わることで、給付金の支払いや納税・還付といった手続きの簡便化が進むのは間違いありません。

 しかしながら、個人情報の連携が進めば、システムのトラブルなどで情報が流出した際のリスクも大きくなります。万が一、マイナンバーカードを紛失すると、マイナンバーそのものが外部に漏れる可能性がありますから、とてもやっかいです(カード内部のICチップは保護されていますが、カードそのものに顔写真、住所氏名、生年月日、マイナンバーなどが記載されています)。

 政府がどのように情報を管理し、仮に情報が流出した際にはどのように対応するのか、明確に説明しなければ、多くの国民を納得させるのは難しいでしょう。

(The Capital Tribune Japan)