▶︎「インフラ系」17社には持株会社2社(日本電信電話、ソフトバンク)が含まれる。集計は17社で行うが、前年度増減率などの分析は実際の事業を担っている「モバイル通信」(MNO、MVNO、MVNE、WiーFiサービス)12社と「クラウドサービス」3社を対象とする。
総就業者数は61万人超
▶︎17社の就業者数は2.37%増の61万0,505人だった。正規雇用は6.29%増の48万0,380人、非正規雇用は9.90%減の13万0,126人、非正規率は2.90ポイント減の21.3%だった。1人当たり売上高は0.12%増の5,828万円だった。
▶︎17社の単独・個別就業員数は1.39%減の5万4,150人だった。正規4万3,686人、非正規1万0,464人(非正規率19.3%)、平均勤続年数14.1年(0.13年増)、平均年齢40.1歳(0.14歳増)、平均年収809.78万円(5.693万円減)だった。
▶︎17社の単純平均の勤続年数は8.5年(0.15年増)、年齢は37.6歳(0.21歳増)、年収は665.94万円(6.388万円増)だった。本業の利益率を示す営業利益率は19.2%で2017年度から3.19ポイント増えた。5つのカテゴリーのうちで最も高かった。
通信サービス12社 平均年齢は37.4歳
▶︎17社のうち「通信サービス」セグメント12社の就業者数は3.49%増の20万9,668人だった。正規雇用は3.17%増の14万9049人、非正規雇用は4.31%増の6万0,619人、非正規率は2017年度から0.23ポイント増えて28.91%だった。
▶︎「通信サービス」セグメント12社の単独・個別就業員数は2.21%減の2万7,933人だった。正規2万1160人、非正規6,773人(非正規率24.25%)、加重計算による平均勤続年数は16.3年(0.07年:25.5日増)、平均年齢は41.0歳(増減ナシ)、平均年収は886.04万円(4.956万円減)だった。
▶︎単独・個別ベースの単純計算にとる平均勤続年数は8.1年(0.14年:51.1日増)、平均年齢は37.4歳(0.14年:51.1日増)、平均年収は670.10万円(8.219万円増)だった。加重平均と比較すると、平均勤続年数は8.2年、平均年齢は3.6歳、平均年収は215.94万円の開きがある。
◆大手3社の1人当たり売上高は9,501万円
▶︎「通信サービス」セグメントにおける加重平均と単純平均の開きは、大手3社(ソフトバンクグループ、KDDI、NTTドコモ)と新興9社の格差に起因している。就業員数で連結ベースの98.0%、単独・個別ベースの91.2%を占める大手3社に全体が引っ張られた。
▶︎「通信サービス」大手3社の就業員数は連結ベースが3.37%増の20万5490人、単独・個別ベースが2.69%減の2万5,471だった。非正規雇用は連結ベースが6万0,064人(非正規率29.2%:0.28ポイント増)、単独・個別ベースが6,427人(25.2%:2.19ポイント減)だった。
▶︎「通信サービス」大手3社の1人当たり売上高は0.44%減の9,501万円、営業利益率は5.4ポイント増の22.4%だった。加重計算による平均は勤続年数17.4年(0.03年:10.95日増)、年齢41.5歳万円(0.06歳:21.9日増)、年収922.39万円(9.378万円増)だった。
▶︎大手3社の単純計算による平均は、勤続年数15.0年(0.30年:109.5日増)、年齢41.4歳(0.37歳:135.05日増)、年収1,026.07万円(36.685万円増)だった。単純計算による平均年収が初めて1,000万円を超え、勤続年数、平均年齢が長くなっている。
◆新興9社の平均年収(給与)は551.44万円
▶︎「通信サービス」新興9社の1人当たり売上高は1.18%減の4,925万円、営業利益率は0.4ポイント増の13.0%だった。加重計算による平均勤続年数は6.2年(0.09年:32.85日減)、平均年齢は35.9歳(0.24歳:87.6日減)、平均年収は558.95万円(9.363万円減)だった。
▶︎新興9社の単純計算による平均勤続年数は5.8年(0.09年:32.85日増)、平均年齢は36.0歳(0.06歳:21.9日増)、平均年収は551.44万円(1.270万円減)だった。中央値は平均年齢が36.7歳(0.2歳減)、平均年収が544.80万円(19.70万円減)となっている。
クラウドサービス3社
▶︎今回「インフラ系」に新設した「クラウドサービス」はインターネットイニシアティブ(IIJ)、GMOインターネット、さくらインターネットの3社。今後の展開によっては、自前データセンター型のBPO/ASPサービス事業者、コミュニケーションサービス事業者が追加される可能性がある。
▶︎「クラウドサービス」3社の就業員数は4.66%増の9,544人だった。正規雇用は6.55%増の8,980人、非正規雇用は18.38%減の564人、非正規率は1.67ポイント減の5.9%だった。就業者1人当たりの売上高は9.21%増の4,160万円、営業利益率は0.05%減の7.2%だった。
▶︎3社の就業員属性について、加重計算による平均勤続年数は増減ナシの7.5年、平均年齢は0.40歳(146.0日)増の36.9歳、平均年収は3.457万円減の622.39万円だった。単純計算の平均勤続年数は6.7年、平均年齢は36.5歳、平均年収は588.48万円だった。
平均年収の実質1位はKDDI
▶︎「インフラ系」17社の平均年収最高額はソフトバンクグループの1,253.39万円だった。以下、②KDDI:952.81万円、③日本電信電話:911.43万円、④NTTドコモ:872.00万円、⑤ソフトバンク:733.10万円、⑥沖縄セルラー電話:704.77万円と続く。
▶︎「インフラ系」平均年収トップのソフトバンクグループ1,253.39万円は、連結就業者9万2,069人のうちの個別就業者192人の平均値に過ぎない。このため単純集計から外して11社で再集計すると、単純集計の平均年収は617.07万円(12社単純集計より53.03万円減)に補正される。
【参考値】通信網建設業3社
▶︎参考値「通信網建設」3社の就業者数は、連結ベースが36.2%増の4万7,694人(正規雇用4万2,212人:36.9%増、非正規雇用5,482人:31.2%増、非正規率11.5%:0.44ポイント減)だった。通信回線の更新・新設需要の増加を背景に現場作業要員の補充が活発に行われている。
▶︎3社の単独・個別ベースの就業員数は12.2%減の4,531人(正規雇用3,983人:12.9%減、非正規雇用548人:7.0%減、非正規率12.1%:0.68ポイント減)だった。就業者数の連結:単独・個別比は100:9.5で、単独・個別が5.24ポイント低下した。
▶︎「通信網建設」の加重計算による就業者属性は、3社のうち2社が就業者数連結:個別比率10%未満(持株会社)のため意味を持たない。それでも参考までに記しておくと、平均勤続年数は0.02年増の17.1年、平均年齢は0.44年減の42.4歳、平均年数は25.791万円増の749.55万円だった。
▶︎「通信網建設」の単純計算による就業者属性は、平均勤続年数が0.09年増の17.6年、平均年齢が0.37年減の44.5歳、平均年数は0.335万円減の750.29万円だった。作業員の補充増員が新規採用より同業事業者の吸収合併に重きを置いて行われていることが分かる。