12月決算の上場IT関連103社 2期連続の増収増益

集計企業数は2017年から3社減少

株式を公開しているIT/ICT関連企業のうち、12月期決算の103社の2018年通期業績が出そろった。103社の内訳は、ハードウェア製造業が4社(2017年比増減なし)、通信サービスが1社(同)、製品販売業が17社(1社減)、ネットサービス業が58社(2社減)、受託サービス業が23社(1社減)だった。

対象から外れた3社は次のようだった(【 】は証券番号)。

製品販売業

ジオネクスト【3777】:業態変化(ソフトウェア・ライセンス販売から再生可能エネルギー運営)により除外

ネットサービス業

USEN-NEXT HOLDINGS【9418】が8月決算に移行。

●オウチーノ【6084】が上場廃止(結婚式場情報サイト運営のみんなのウェディングと経営統合し「くふうカンパニー」【4399】10月決算)

新規上場

「ネットサービス」にリンク【4428】、ベルトラ【7048】、「受託サービス」にトレードワークス【3997】、イーソル【4420】、FIG【4392】、エル・ティーエス【6560】の計6社が新規上場で集計に加わった。2017年の業績と就業者数については新規公開株式目論見書に依拠している。

就業者1人当たり業績で景況を見る

単純集計と2期連続補正値

103社の2018年通期業績は、売上高が8兆7,391億94百万円、営業利益が7,935億55百万円、経常利益が8,805億60百万円、純利益は6,597億69百万円だった。単純集計の2017年比は、売上高が3.3%増、営業利益が4.3%増、経常利益が15.3%増、純利益が35.7%増となる。

ただし集計企業数が異なる(2017年は106社、2018年は103社)ので、2017年業績を2期連続比較が可能な103社で再集計すると、売上高は4.8%増、営業利益は5.1%増、経常利益は15.7%増、純利益は35.8%増に補正される。

営業利益率は9.1%で2017年実績から0.03ポイント上昇した。経常利益率は10.1%で0.95ポイント、純利益率は8.0%で1.82ポイント、それぞれ上昇した。

就業者総数は34万人

以上は企業ベースの数値であって、景況の実態を見るには「就業者1人当たり」を算出する必要がある。そこで《Yahoo!ファイナンス》2019年2月現在の正規雇用者数と、各社公表の有価証券報告書記載の非正規雇用者数を調査したところ、就業者総数は34万0,168人(単純集計:0.9%減、103社補正値:0.8%増)だった。

内訳は正規雇用が32万3,799人(単純集計:0.6%減、103社補正値:0.8%増)、非正規雇用が1万6,362人(単純集計:6.8%減、103社補正値:0.2%減)となっている。

就業者総数34万0,168人で103社の業績を割ると、売上高は2,569.1万円、営業利益は233.3万円、経常利益は258.9万円、純利益は204.5万円だった。103社補正値による2017年比は、売上高が4.0%増、営業利益が4.3%増、経常利益が14.8%増、純利益が34.7%増だった。

キヤノンを除く102社で集計

1社で売上高全体の45.2%を占めているキヤノンを除く102社で再集計すると、売上高は12.4%増の4兆7872億57百万円、営業利益は6.4%増の4,506億03百万円、経常利益は27.2%増の5,176億68百万円、純利益は63.8%増の4,430億14百万円だった。

102社の就業者1人当たり業績は、売上高が10.3%増の3,363.8万円で、キヤノンを含む103社集計より794.7万円多かった。同様に営業利益は316.6万円で83.3万円、経常利益は363.7万円で104.8万円、純利益は311.3万円で106.8万円、それぞれ103社集計より多い結果となった。

2019年通期見通しは増収減益

今回の決算では、17社が2019年通期見通しを公表していない。その17社について、2018年実績をそのまま2019年に当て込むと、売上高は8兆9,404億62百万円で2018年比2.3%増、営業利益は8,331億20百万円で5.0%増、経常利益は8,481億27百万円で3.7%減、純利益は5,636億68百万円で19.0%減だった。

17社を除いた2期連続比較が可能な86社で集計すると、売上高は7兆2,773億01百万円で2.8%増、営業利益は5,958億00百万円で7.1%増、経常利益は6,309億11百万円で4.9%減、純利益は4,335億44百万円で23.4%減だった。この通りだとすると、3期連続の増収、3期ぶりの減益となる。

減益となる要因を調べると、「ハードウェア製造業」の減益(35.7%減:減収額は1,487億49百万円)が大きく影響している。なかでもアミューズメント機器メーカーのユニバーサルエンターテインメント【6425】が1,351億68百万円の減益(2018年1,611億68百万円から2019年260億00百万円)を予測しているのが目につく。

ユニバーサルエンターテインメントを除いた102社で再集計すると、売上高は1.9%増、営業利益は0.3%増、経常利益は1.3%、純利益は0.8%増となる。「からくも増収増益」だが、期初の通期見通しは各社が引き締めを図って慎重になるため、低めに出る傾向が強い。例えば2017年12月決算における2018年通期見通しは、売上高0.8%増、営業利益5.2%増、純利益44.8%増だった。当面、ユーザーが投じるIT費用に急ブレーキがかかる要因は見当たらないので、最終的に上ぶれする可能性がある。

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