IT記者会Report

オリジナルな記事や送られてきたニュースリリース、セミナーのプレゼン資料など

派生開発の清水吉男氏が急逝、68歳

 ソフトウェア派生開発の考え方と手法を提唱・実践してきたことで知られる清水吉男氏(派生開発推進協議会:AFFORDD代表/(株)システムクリエイツ代表取締役)が11月22日、死去した。68歳だった。

 清水吉男氏:1949年4月18日〜2017年11月22日
写真は派生開発カンファレンス2016(2016年5月27日)の最終講演で。

関連記事:
【講演採録】派生開発推進協議会代表・清水吉男氏
XDDPから「IoT」に挑むー困難な状況をチャンスに変えるー(派生開発カンファレンス2016)               http://d.hatena.ne.jp/itkisyakai/20160615
システムクリエイツ(清水氏)のサイト http://soft-koha-hp.la.coocan.jp/
 清水氏は自身の実践経験をもとに、ソフトウェアの設計・開発を、運用、保守の視点から再構成する「派生開発」の考え方を提唱、方法論「XDDP」(eXtreme Derivative Development Process)、要求仕様記述手法「USDM」(Universal Specification Describing Manner)の名でエンベデッド系ソフト開発領域を中心に普及していた。
 XDDP/USDMを採用するエンジニアが中心となって、2010年6月に派生開発推進協議会(AFFORDD)が発足すると同時に代表に推され、自らはシステムコンサルタントとして活動するかたわら、意欲的に後進の指導に当たっていた。
 AFFORDD主催の「派生開発カンファレンス」はソフト工学の実践を前提とするエンジニア中心の研究会で、2010年に第1回が横浜市の開港記念会館で開催され、以後、毎年5月、論文発表とポスター展示が行われている。今年6月に初めて大阪市で開催され、その時も清水氏は元気そうな姿を見せていた。
 「ここ数ヶ月、闘病していた」というが、facebookには10月24日、USDMやXDDPに関する書籍の電子版が出版されることを知らせる旨、書き込んでおり、関係者の多くは逝去の報に驚きと戸惑いを隠していない。



派生開発推進協議会の方からご指摘いただき、日付を訂正しました。