2017年12月5日にWebニュース「現代ビジネス」に寄稿した記事です。
そもそもカードに意味はあるのか
カード発行10%の「情けない理由」
2015年4月にマイナンバーカード(個人番号カード)の発行が始まって、かれこれ2年が経つ。
総務省によると、今年8月末日現在の交付枚数は1230万枚、全対象者に占める普及割合は9.6%にとどまっている。これによって「マイナンバー制度は失敗したも同然」という評価が定まりつつあるが、実態はどうだろうか。
これまでの経緯をオサライしておこう。
カードの発行が始まったのは昨年の1月。前年の10月から全対象者に郵送で個人番号が通知されたのを受けて、顔写真が付いたICチップ内蔵カードを発行する。併せて給与・報酬の受給者は発給元にマイナンバーを届け出ることになった。制度運用の本番といっていい。