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3月期受託系ITサービス118社の2016年上半期業績 売上高は3兆3,599億90百万円

 3月期決算で株式を公開している受託系ITサービス会社118社の2016年度上半期(2016年4月〜9月)業績がまとまった。売上高は3兆3,599億90百万円、営業利益は2,184億12百万円、経常利益は2,233億06百万円、当期純利益は1,583億50百万円だった。


 1社減の補正値 売上高は前年度同期比△4.0%

 単純集計の前年度同期比(△はプラス、▲はマイナス)は、売上高が△3.8%、営業利益が△14.2%、経常利益は△12.9%、当期純利益は△26.6%だった。
 前年度同期に比べ、集計企業数が1社減(2016年7月21日付で受託ソフトウェア開発業のエヌジェーケーが上場廃止)となっているため、前年度同期比は売上高が△4.0%、営業利益が△14.2%、経常利益が△12.9%、当期純利益が△26.6%に補正される。

従業員1人当たり売上高は△1.4%

 従業員数(連結ベース)は△0.7%の正規が△2.3%の40万9,516人(31万1,521人、非正規が±0.0%の9万7,995人)だった。これにより従業員1人当たりの売上高は820.5万円、営業利益は53.3万円、経常利益は54.5万円、当期純利益は38.7万円となる。
 実質的な前年度同期比(従業員1人当たり業績)は、売上高が△1.4%、営業利益が△11.5%、経常利益が△10.3%、当期純利益が△23.7%となっている。

営業利益率は6.5% 前年度同期より0.6P改善

 本業の利益を示す営業利益の対売上高比率(営業利益率)は6.5%だった。2015年度上半期は5.9%だったので、△0.6ポイントの改善となる。
 当期純利益率は4.7%で、2015年度上半期の3.9%から△0.8ポイント改善した。当期純利益率が3.0%を上回流のは2014年度上半期から3上半期連続となる。

平均年齢はほぼ横ばい、年間給与は▲15.32万円

 従業員のうち個別・単独ベースの従業員13万7820人(前年度同期比△11.9%)について、平均年齢と平均給与(年収)を調べた。平均年齢は39.1歳で前年同期比△0.02歳とほぼ横ばいだった。平均給与(年収)は653.1万円で前年度同期比▲15.32万円と2桁の減少となった。
 3月期決算の株式公開受託系ITサービス業は営業利益率、当期純利益率を引き上げており、表面上は業績が上向いているように見える。しかし従業員の給与を引き下げた分が営業利益率、当期純利益率の改善につながっているのが実情で、エンジニアの就労環境は決して改善していない。