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派生開発カンファレンス2013に行ってきた(1)

 5月24日、「派生開発カンファレンス2013」に誘ってくれたのは、アイエックス・ナレッジの田中一夫氏である。同氏とはSEA(ソフトウェア技術者協会)の会合で一緒になることが少なくない。主催は派生開発推進協議会(代表:清水吉男・株式会社システムクリエイツ社長、略称:AFFORDD)会場は横浜開港記念館。カンファレンスが開かれることは同協議会のホームページで知っていて、「出かけてもいいな」と思っていたのだった。田中氏の誘いは、「出かけてもいいな」の漠とした気持ちを、「よし、記事を書こう」に変える決定打になったわけだった。

 横浜開港記念館は4年前、ソフトウェア・シンポジウム2010の会場だった。そういえば派生開発カンファレンスの第1回目が開かれたのも同じ年、SS2010の一週間ほど後ではなかったか。SS2010で筆者は招待講演を行ったのだが、そのとき同じく招待講演をした細川泰秀氏(日本情報システム・ユーザー協会)が派生開発カンファレンスにもいらしたので、ちょっと筆者の記憶は混乱を起こしている。ともあれ、横浜開港記念館については
 ――JR根岸線「関内」駅から横浜球場沿いに神奈川県庁に向かって徒歩約10分。
 という知識がある。
 カンファレンスの開会式は午前10時15分からとなっているが、10時から同記念館の別会場でチュートリアルが開かれることになっている。講師はデンソーの古畑慶次氏だ。おっと、一度ならず上海のソフトウェア工学フォーラムでご一緒した方ではないか。こりゃ10時に遅れるわけにはいかないぞ――ということで、自宅を8時50分に出ることにした。JR根岸線関内駅まで、乗り換えナシで行ける地の利がある。

 いつも改札を抜けてから思い出すのだが、関内駅の目の前は横浜市役所なのである。ここには「港町魚市場跡」の石碑が建っているのだが、多くの人は気がつかずに素通りしてしまう。ついでなので神奈川県民として関内を紹介しておくと、吉田橋(通称「かねの橋」は日本で2番目にできた鉄橋に由来)のたもとに内地と外国人居留地の人と物資の動きを監視した関所があり、横浜市役所から神奈川県庁までが外国人居留地横浜スタジアム横浜公園はかつての遊郭跡、県庁がある場所に運上所(税関)が設けられていた。
その手前に建つ横浜開港記念館は、幕末の生糸商「石川屋」(越前松平家出先機関岡倉天心福井藩士・岡倉覚右衛門の息子としてこの地で生まれた)の跡地で、明治以後は横浜商工会議所だった。わが国の計算機利用の黎明期に深くかかわりを持つ森村市太郎も足しげく通ったに違いない。ともあれこの街は、路地の辻をちょいと折れれば、文久年間に始まる幕末の激動と文明開化の史跡がある。その他の史跡は http://takuo.main.jp/hiraku/001.html に詳しい。
通常は市役所を左手、スタジアムを右手に見て県庁に向かうのだが、筆者が選んだのは一本裏の路地。たしかこの通りにあったはず……と進んでいくと、あった。1998年に横浜ベイスターズ(現DeNAベイスターズ)が日本一になったときの記念碑だ。これも何度かこの街を歩いていないと目にすることがないだろう。そんな具合に観光気分で会場に着いたのは9時50分ごろだった。
 カンファレンスの運営事務局からは、事前に
 ――受付で申し出ていただければ、「報道」の腕章をお渡しします。
 と言われていた。
 ところが受付けで申し出るまでもなく、そこに田中一夫氏が座っていた。SEA(ソフトウェア技術者協会)の会合でしばしば顔を合わせているので、取り立てて格別の挨拶もなし。見れば、このカンファレンスの主催者・派生開発推進協議会の清水吉男氏も、メイン会場の講堂に通じるドアの近くに立っている。
 ――参加者は何人ぐらい?
 という筆者の問いに、田中氏の答えは
 ――あ、何人ぐらいだろう。200人は超えてるんじゃないですか?
 だった。
 その会話を耳に挟んだ受付の女性が
 ――Webの参加申込みは250人とちょっとでした。
 と答えてくれた。
 ――当日参加の方もあるので……
 ――じゃ、ざっと300人というところですかね。
 と筆者。
 デモや集会の参加者数は、主催者発表が警察発表より多いものだ。反して主催者が250人といっているのに報道の立場にある者が「300人ということにしておこう」はマズイのだが、この後刻、座席数から逆算したところ(講堂やチュートリアル会場は1、2、3……と1列当りの席数と列数を数えることができる程度の広さ)、合計すると300人は超えていたようだった。つまり「300超」は筆者の目測ということになる。
 清水氏への挨拶もそこそこに、別会場(講堂と入り口広間を挟んだ向こう側)のチュートリアル会場へ。チュートリアルは開会の挨拶より15分前倒しで始まることになっている。最前列の空いた席にバッグを置き、机の上にICレコーダをセットしていたところに、講師を務める古畑氏がやってきた。
 ――もうお体はいいんですか。
 筆者が昨年秋に体調を崩した(鬼の霍乱?)ことを、古畑氏はfacebookを通じて知っていた。
 ――ま、何とか。
 ――今日はずっと?
 ――さて、どうでしょう。体調次第なんで。ところで、録音、OKですよね。
 ――記事になりますかね。
 ――場合によっては。
 ――じゃ、またあとで。
 そんな会話があった。