IT記者会Report

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コニカミノルタ――サブスクリプション時代に備えたクラウド第2ステージの開始

執行役IT企画部長・田井昭氏に聞く

「攻めのIT経営銘柄 2016」選定企業のIT戦略<9> コニカミノルタが「攻めのIT経営銘柄」に選定された事由は、ITを駆使した「デジタルマニュファクチャリング(DMF)」と「グローバルサポートセンター」だ。ところが同社は近未来の企業像として「課題解決型デジタルカンパニー」を掲げ、IoT(Internet of Things)だのクラウドだのを1つも2つも先を見越している。それだけに、執行役 IT企画部長・田井昭氏が本誌に登場するのは一度ならず。さて、今回はどんな話が聞けるだろうか。

クラウドの本格展開でアーキテクチャーの再構築に取り組んでいる」と執行役
IT企画部長の田井昭氏

ハードルは高い方が面白い

 取材の冒頭、今年10月25日付で掲載した山名昌衛社長の講演「コニカミノルタのデジタル変革戦略、30年後も生き残る会社に向けた経営者の決意」に話を振ると、
 「そうなんですよ。山名(昌衛社長)は次の事業を考えてまして」
田井氏は続ける。
 2003年、写真フィルム/複写機メーカーのコニカ、カメラ/複写機メーカーのミノルタが経営統合し、06年に本業だったカメラとフィルム事業から撤退した。現在はMFP(Multi-Functional Peripheral:複合機)やヘルスケア機器、計測機器などが中核だ。
 「金額ベースでMFP事業は伸びているんですが、成熟市場でサブスクリプション(有期契約の従量課金)化していますからね。それで社長は先のことをどんどん話す。社員からすると頼もしいのですが、我々はそれを実現するのが仕事ですから、ハードルが上がる一方です」
 だから面白い、と目が笑っている。
 田井氏が約30年を過ごしたオフィス機器の研究開発部門から、IT部門に異動したのは2011年。それからの3年間を過去のインタビューで振り返ると(順不同)、

・グループのIT部門を統合し、本社60人、IT子会社コニカミノルタ情報システム200人体制に。
NTTコミュニケーションズのデータセンターサービス「Nexcenter」、クラウドサービス「Bizホスティング Enterprise Cloud」を採用。
・グローバルのマスターデータを統一し、これをもとに日米欧アジア4極のグローバルMDM(マスターデータマネージメント)とBPMを推進。
・標準クラウドとしてアマゾンの「AWS」、マイクロソフトの「Azure」を採用、オンプレの仮想化環境と用途で使い分け。
・セキュリティ対策を強化。
・日本語・英語・中国語対応のヘルプデスクサービスをスタート。
コニカミノルタのユーザー向けクラウドサービス「INFO-Palette Cloud」の提供開始。

 インタビューしたのは2014年6月なので、3年間でグローバルなIT基盤にほぼ目途をつけたことになる。IT部門の再編、データ構造やコードの標準化、ITシステム運用ルールとビジネスプロセスの共通化、さらにグローバル規模で事業運営にかかわる主要なシステムの最適化……と、全力で疾走してきたことは想像に難くない。
 「アジア地域では商習慣の壁もあって、ERPが効果を上げるのはこれから。それも含めて、“わたし、失敗しないので”です(笑)」
想定外のセリフが飛び出した。
 「グローバルで共通化すべきこと、ローカルの長所を生かすことを整理しまして、日本で作ったたたき台を年2回のグローバルなIT担当者の会議で決めていくわけです。その取り組みを通じて守りから攻めへ、IT部門の意識改革をやり、要員の入れ替えも行い、いまでは英語で仕事をするのが当たり前、クラウドに抵抗感を持つ人はいなくなりました」
 田井氏の“わたし、失敗しないので”は、“成功するまであきらめない”という意思の表明だったのだ。

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